前回は総資産のうちいくらを投資に回せばよいのかという話を書きました。

投資に回す金額が決まったら次に悩むのがその資金をどう投資すればよいのかという問題です。
手元のお金を一度にまとめて投資するのか、時間をかけて少しずつ投資するのかで結果も心理的な負担も変わってきます。
今回はこの資金の投資方法について一括投資と積立投資そしてドルコスト平均法を整理しながら考えていきます。

基本は決めたポートフォリオに従って投資する

投資の方法を考える前に大前提を確認します。
投資は事前に決めたポートフォリオに従って行うのが基本です。
株式と債券をどう組み合わせるかという資産配分を先に決めておきその配分どおりにお金を投資していきます。
たとえば株式70%・債券30%という配分を決めたとしたら、100万円を投資するとき内訳は株式に70万円と債券に30万円になります。

そのうえで、手元の資金状況によってどのように買っていくのか決まります。
すでにまとまった資金があるならその全額を一括投資が理想です。
反対にこれから始める人は毎月の収入から積み立てていくことになります。

ここで押さえておきたいのが一括投資と積立投資は本質的に同じだという点です。
積立投資だとしても投資に回せるお金をすべて決めた資産配分に投資しているという意味では一括投資と変わりません。
違いは今まとまった資産を持っているかどうかだけです。
まとまった資金がある人はそれを一度に投資して、持っていない人は稼いだそばから投資していくというだけの差にすぎません。

この記事を読んでいる人の多くはこれから資産を作りたいと考えている側でしょう。
その場合はすでにある貯金をまとめて投資してそこから先は毎月積み立てて増やしていくやり方がほとんどになります。

ドルコスト平均法はリターンが下がる

ここでよく名前があがるのがドルコスト平均法です。
ドルコスト平均法とは一定の金額で定期的に買い続けて購入時期を分散する手法を指します。
価格が高いときは少なく安いときは多く買えるため、取得単価を均す点がメリットとしてよく説明されます。

ただし、この手法には見落とされがちな問題点があります。
資金を分けて投資するため、投資されない資金が生まれてしまうことです。
このように投資予定だが投資されていない資金を待機資金と呼びます。
あたりまえですが、待機資金はなんのリターンも生みません。
そのため期待できるリターンは下がってしまいます。

ドルコスト平均法はリスクを下げる手段だからリターンが下がるのはしょうがない、という意見もあるかとおもます。
ですが、そもそも時間分散でリスクを下げる必要があるのかというと基本的には不要だといえるでしょう。
リスクはそもそも先に決めたアセットアロケーションで管理されるべきだからです。
自分が受け入れられる水準に資産配分を合わせてあれば値動きの幅はその時点でコントロールされています。
そのため、ドルコスト平均法で時間分散する必要がありません。
理論だけを見ればまとまった資金は一括投資で問題ないということになります。

とはいえ、理屈のうえで正しくても実際に行動できるかは別の問題です。
まとまった資金をいきなり全額投資するのは多くの人にとってかなり怖いとおもいます。
その不安を和らげる意味ではドルコスト平均法で分けて投資するのも初心者には悪くない選択です(ちなみに筆者の初めての投資額は1000円でした)
リターンは重要ですが長期投資は続けられることが最も重要です。

積立投資とドルコスト平均法を混同しない

最後に混同されやすい積立投資とドルコスト平均法の違いを丁寧に説明しておきます。
どちらも毎月一定額を投資する形になるため同じものだと思われがちです。
しかし両者は投資に回せるお金が手元にあるかどうか?という点でまったく違います。

まず積立投資の例を見てみましょう。
待機資金がない状態から毎月の給料から5万円を投資に回すとしましょう。
この人はその月に投資できる5万円をそのつど全額を投資しています。
まだ投資していないのに寝かせているお金は手元にありません。
これが積立投資であり実質的に一括投資と同じ状況になっています。

一方で、手元に待機資金300万円をもっている人がいるとします。
この300万円は今すぐ全額投資できるお金です。
それをあえて毎月10万円ずつ30ヶ月に分けて投資しているのがドルコスト平均法です。
この場合はまだ投資していない残りのお金が投資されずに待機資金として残り続けます。

つまり、この待機資金を抱えるかどうかという点で大きな違いがあります。
前述したように、積立投資は投資に回せるお金をそのつど全額投資しているため一括投資と本質的に同じです。
反対にドルコスト平均法はまとまった資金の一部を待機させてしまうためリターンが落ちてしまいます。

まとめ

資金の投資の仕方はまず決めた資産配分に従うのが基本です。
そのうえでまとまった資金があれば一括投資、ゼロから始めるなら積立投資になります。
両者は本質的に同じものですのでもっている資産状況からどちらで投資すればよいのか明確に決まるでしょう。

一方で名前のよくあがるのがドルコスト平均法です。
これは待機資金が生まれるぶんリターンが下がってしまいますし、リスクはアセットアロケーションで管理できるため理論的には必要ありません。
しかし、一度に投資する不安が大きいならドルコスト平均法で分散するのは初心者には悪くない選択です。
自分がどこまで値動きに耐えられるか考えたうえで選んでみてください。

次回はNISAとiDeCoの使い分けについて解説します。