前回は株式だけでなく債券を加えてリスクを管理しようという話を書きました。
今回は「どれくらい投資すればよいのか?」という問題についてかんがえていきます。
リスクを抑える組み合わせ方がわかっても次に気になるのは金額です。
手元の資産のうちどこまでを投資に回していいのか迷う人は多いはずでしょう。
考えるポイントは生活防衛資産と近い将来に使う予定のあるお金にあります。
この2つを整理したうえで投資する金額を検証できるようになりましょう。
生活防衛資産を確保する
投資する前にまず最初に確保しておきたいのが生活防衛資産です。
生活防衛資産はその名の通り生活を守るためのお金です。
たとえば病気やケガで失業して収入が途絶えてしまったり、予期せぬ冠婚葬祭や車の故障といった急な出費に備えるためのお金を指します。
生活防衛資産を用意せずにすべて投資してしまうのは危険です。
これには2つの理由があげられます。
1つ目はリスク資産を強制的に売却しなければいけない事態を避けるためです。
突発的な出費と市場の下落が同時に起きてしまうとあなたは損失を回避することができません。
場合によっては、下落によって出費に耐えられるだけの資産がない状態になる可能性すらあります。
2つ目は心理的な負担の解消です。
生活防衛資産があることでなにか起きても生活を立て直せるという安心感が得られます。
これによって市場と生活の安定性を切り離せるため、安心して投資を続けることができます。
では、どれくらいの金額を生活防衛資産として用意すればよいのでしょうか?
目安として会社員であれば生活費の半年分という基準が広く利用されています。
金額としては一人暮らしであれば100万円、4人家族であれば200~300万円ほどになります。
このくらい用意していれば大概のアクシデントに耐えることができます。
注意点として、フリーランスなどの場合は傷病手当といった失業時の保証が弱いため多めに用意することが推奨されています。
具体的には生活費の1年分程度が望ましいでしょう。
使う予定のあるお金も低リスク資産に置く
生活防衛資産は病気や失業といった予測できない出費に備えるためのお金でした。
一方で教育費や車、住宅のようにあらかじめ使う時期が決まっている大きな出費もあります。
これらも計画的に準備する必要のあるお金です。
大きな出費が予定されているのにすべてを投資資産に置いてしまうと生活防衛資産と同じ問題が起こり得ます。
たとえば使う時期になった時にたまたま値下がりしていれば大きく価値が毀損した状態で売る必要がでてきます。
こういった出費は金額が大きいだけに値下がりによって必要な金額を用意できない問題が容易に発生します。
使う予定があるお金は定期預金や債券などリスクの低い資産に置いておくと安心です。
目安として景気の循環サイクルから3~5年以内に使う予定がある分は安全な資産に移しておくとよいとされています。
生活防衛資産と合わせてこの資金も投資とは切り離して考えておきたいところです。
残りを投資資産に回す
ここまでで確保しておくお金について解説してきました。
これらを用意した残りが投資に回せるお金になります。
つまり、投資に回せる金額は総資産から「生活防衛資産」と「使う予定のあるお金」を差し引いた残りです。
総資産 - 生活防衛資産 - 使う予定のあるお金 = 投資できるお金
この考え方のポイントは生活を安定して営むためのお金は絶対にわけて確保しておくということです。
必要なお金を用意しておくからこそ安心して長期投資できるようになります。
逆に、投資する金額を先に決めて無理をするのは絶対にやめましょう。
NISA貧乏という言葉もありますが、投資とは生活もままならない状態でおこなうものではなく安定した生活の先にあるものです。
将来の出費に安心できない状態では適切な投資判断をおこなうことはできません。
まずは生活防衛資産と使う予定のあるお金を切り分けるところからやってみましょう。
投資に回す金額が決まったら次に悩むのが実際にお金を投資する際の進め方です。
一括で投資するか時間をかけて積み立てるか、やり方によって結果も心理的な負担も変わります。
次回はこの一括投資と積立投資の違い、そしてドルコスト平均法について考えていきます。