「同じ会社に5年もいるの?」みたいな反応をされたことがある人いるんじゃないでしょうか。最近は2、3年で転職を重ねるのが当たり前みたいな空気があって、1つの会社に長くいると成長が止まるとか市場価値が下がるとか言う人がよくいます。なんなら長居そのものがリスクみたいな扱いをされることもある。で、それを真に受けて焦って動く人を何人も見てきました。

僕が言いたいのは1つの会社に長くいることで得られるものもちゃんとあるということです。

過去の記事で給料に不満があるなら転職したほうが早いと書いたので矛盾してると思われるかもしれません。でもあれは待遇が動かないなら場所を変えろという話で、長くいること自体を否定したわけじゃないんですよね。場所が合っているなら長くいるメリットはむしろデカい。

一番大きいのは信頼です。これは時間をかけないと積み上がらない。同じ会社で結果を出し続けると「こいつに任せておけば大丈夫」という評価がたまっていって、ある日それが大きなチャレンジの許可証になるんですよね。新しいことをやらせてもらえるかどうかって能力よりも信頼で決まる場面が多くて、入ったばかりの人がいきなり大きなプロジェクトを任されることはまずないです。逆にいえば時間をかけて積んだ信頼があれば新しい挑戦がしやすくなるってことですね。

**もう1つは人脈です。**社内で長くやっていると誰が何を握っているかが見えてきて、何か動かしたいときに「あの人に聞けば早い」が増えていく。他部署のキーマンとはなしにいける関係ができてると本来なら何週間もかかる調整が一本の連絡で片付いたりする。これ転職するとほぼリセットされる資産で外から来た人がゼロから築くにはやっぱり時間がかかるんですよ。同じ会社に長くいる人だけが使えるショートカットなんです。

転職には転職の良さがあるし合わない場所に留まり続けるのはたしかにリスクです。ただ「長くいる=停滞」という決めつけもまた雑な話で信頼や人脈という時間でしか買えないものを捨てて毎回ゼロからやり直すのが常に正解とは限らないんですね。腰を据えたからこそできる大きな仕事もあるんです。動くのが偉いわけでも残るのが偉いわけでもなくて自分がいま積み上げの途中なのか頭打ちなのか、そこを見極めるのが大事なのかなあとおもいます。